| しみ・そばかす治療 |
シミ・そばかすは正しい治療をすれば改善するものです。諦めずにお読み下さいね。
まず、そばかすは非常にレーザーが有効なもので、殆ど除去できます。一方しみも適応にもよりますがレーザーや塗り薬を上手く使用すれば必ず改善できます。そのためにはシミ・そばかすの種類を知ることが第一歩です。ご自身のシミは一体どれなのか、考えてください。
では、しみの種類をお示しします。
老人性色素斑:いわゆる加齢により出現したシミです。境界が明らかで茶色く扁平です。レーザーが有効です。
雀卵斑:そばかすです。子供の頃から存在し、思春期に濃くなりますし、成人以降も紫外線の影響で数が増えていきます。
きちんとレーザーを用いれば必ず改善します。レーザーが特効薬的治療とお考え下さい。
もちろん正しく照射しないとトラブルは発生します。診断をつけて正しく治療すれば大丈夫です。
思春期には全くなく、成人後初めて出たものは小さなシミであり、そばかすと異なります。
脂漏性角化症:表面にざらつきのある盛り上がったシミです。真っ黒なこともあります。大抵多発します。
レーザーのみで取りきれないことも多く、微弱電流とレーザーを組み合わせます。
肝斑:女性ホルモンの影響で出現する両頬の広範な淡いシミです。下まぶたのごく傍にはないことが殆どです。
絶対にレーザーを照射してはいけません。濃くなります。
クリーム・ピーリングやビタミンCイオン導入が主で、場合によっては飲み薬をお出しします。
完治は難しく、治療により抑えるといった効果です。
遅発性両側性太田母斑:成人以降に両頬に点状に発生するアザです。かなり濃い色をしていて多発します。
シミ・肝斑との区別が難しいので、いつも苦労します。シミより深くに色素が存在します。
ほくろ(色素性母斑):薄いものはシミとの区別が難しいものです。しかしほくろは最初からほくろです。
シミがほくろに変わるということはないでしょう。
炎症後色素沈着:ケガやニキビの後のシミ。深くまで色素が存在し、レーザーが無効な例も多いものです。
くすみ:シミではなく、角質の傷みや乱れなどで肌の透明感が落ちている状態です。
クリーム・ピーリングが著効します。
では、正しく診断されたとして、レーザーが向いているとしましょう。どのレーザーでも除去できるでしょうか。答えはイイエです。基本的にはQスイッチレーザーといってメラニンのみを破壊するレーザーが第一選択です。周囲に熱を与えたりするよりもきちんと光のエネルギーだけで除去するのが基本です(レーザーの使用経験が長い医師ほどこの話は常識です。レーザーの経験が浅い医師ほどかさぶたを作らない、制限の少ない治療を選択しますが効果も限定的となります。誰でも安定した結果が出せるということすなわち医師の腕は関係ないのです。何か寂しいと思いませんか?)。また、ロングパルスレーザーといって単に脱毛などにも用いるレーザーでは全てのシミには対応できず、悪化することもあります。ただ、強いかさぶたができにくいのでそばかすには非常に有益ですが。しかし、Qスイッチレーザーは非常に短い時間でレーザーが照射されるために時として皮膚表面が衝撃波でダメージを受けます。これを如何にくい止めるか、また出力が強すぎず、弱すぎず、最適の設定ができるかが非常に重要です。使い手によっては良い結果が出ないこともあるのです。私自身あるメーカーのQスイッチレーザーでのシミ取りの出力設定にアドバイスをしている関係上、色々な話を聞きますが、設定は経験と知識です。機械の性能が良くても使い手が十分に理解していなければ、たとえ私が設定した条件でも上手くいきません。シミの濃さや深さ・性状などに応じて設定をきちんと変えていく必要があります。もちろん簡単にシミが取れるとは言いません。
また、塗り薬も同様です。効かない人は効きません。この見極めが大事です。私自身100%かと言われると、申し訳ないのですが、知識を元にできるだけ良い条件で治療できるよう考えてはいます。
では、クリームとレーザーにつき具体的なことを解説していきましょう。
「くすみ」や薄い「しみ」にはクリームをお出しします。クリームはレチノイン酸やビタミンC、皮膚漂白剤(ハイドロキノン)、こうじ酸など様々な種類があり、単独もしくは組み合わせで処方します。もちろん個々に応じてその濃度も変更します。通常2〜3ヶ月塗れば、軽い効果は実感できます。1〜2ヶ月に一度受診し、月にして数千円程度の負担です。しかし、輪郭のはっきりしたシミやそばかすには無効です。くすんだようなレベルに特に有効と考えてください。なお、レチノイン酸は皮膚表皮の新陳代謝を亢進(ターンオーバーを早めると言います)、角質レベルのツヤを改善し、くすみを取ります。またハイドロキノンはメラニンの代謝に大きな影響を及ぼす代表的な医療用ブリーチング剤(漂白剤)です。ビタミンCは抗酸化剤つまり皮膚の受ける様々な有害物質を除去し、またメラニンの代謝にも影響を及ぼします。コウジ酸については、厚生労働省より使用を差し控える通達が出ましたので、現在主としては処方できません。これは発ガン性の問題が指摘されたからです。しかしコウジ酸とは酒や味噌に含まれるコウジです。食べる方が摂取量としては圧倒的に多いのですが、生活に必要なものとして制限をしていません。一方化粧品などは美容目的ですので安全であるという証明がされるまでは使用を控えるようにということのようです。もちろん皮膚に塗るようなレベル・それも期間限定ですから、私自身は大きな問題はないと考えますが、この証明もまたありません。いい加減なことは言えません。
それ以外にもケミカルピーリングといって特殊な酸を肌に塗ってくすみを改善する方法もあります。この場合も治療直後から化粧ができます。決して酸だから恐ろしいわけではありません。きちんと角質のみを溶かすよう安全に設定します。1〜2週間ごと6回の治療が必要です。より早く強い効果を出せますが、やはりしっかりとしたシミには効果が出ません。宣伝過剰というところでしょうか。
濃い「しみ」や「そばかす」にはレーザー治療が最適です。レーザーといっても怖いものではありません。他の部分には一切影響なく、しみ・そばかすのみが除去できます。痛みも輪ゴムではじかれる程度です。メラニンのみを消し飛ばすものです。しみであれば通常1〜3回、そばかすは大抵一回のみで消えます。但し、1週間程度はかさぶたになりますので、予定のある方はスケジュールを調整して下さい。なお、そばかすの場合はロングパルスレーザーといって皮膚への影響の少ない弱いレーザーも有効です。かさぶたが強くできずテープの必要がないので仕事をしながらという場合にはお勧めはできます。但し回数はかかり、効果は弱いとお考え下さい(フォトフェイシャルやその他光治療器も同様です)。他のものはきっちりとQスイッチレーザーというもので取り去るのが基本です。理論は上に記載しましたが、メラニンに非常に良く吸収され、他のものにはあまり吸収されない波長の光(レーザー)を照射すると、ほぼメラニンのみに光が吸収されます。ここで光は熱に変わろうとしますので、メラニン顆粒という非常に小さな物質内でのみ熱が生じたら、外へは熱が逃げないうちに冷めるという短い時間(ナノ秒レベル)のレーザー照射を行えば、メラニン以外には傷害を受けないということになります。この理論を熱緩和時間といいます(レーザーを研究している医師の間では常識的な話ではありますが、きちんと説明できない医師もいることは事実です)。レーザーの使い分けは、知識がないとできないことがお分かりになったでしょうか。
なお、このレーザーの理論は、多少異なりはしますが、CDプレーヤーとDVDプレーヤーで使われるレーザーの波長(色)に違いがあることに似ています。吸収反応(変化)するべき化学物質に色による吸収性の差があるので、それぞれに必要な色のレーザーを照射する必要があります。DVDディスクはCDレコーダーでは焼き付けをできないということです。お分かりになりましたか。

しかし、すべてのしみが消えるわけではありません。シミというのは、肌のダメージが強いために自身の皮膚を守るよう色が茶色くなっているのです(厳密には違いますがほぼ日焼けと同じ)。ダメージが強いほど深い部分にまでメラニンが入っていますし、レーザーで除去しても新しくメラニンを作ろうと細胞が動き出します(レーザーはメラニンを壊すだけで細胞を正常化するのではありません)。表皮最下層の基底細胞(お肌の細胞分裂の基幹となる細胞)とメラノサイト(メラニンを作る細胞)が互いに影響しあってシミを再生したりすることもあります。また、レーザーによって一気に除去された状態は炎症が起こりやすく、炎症後色素沈着というシミの再発様の状態にもなります。レーザー治療後2〜3週間で戻ってしまうのです(約半数に程度の差はあれ出現します)。この場合は数ヶ月後に色が薄くなり、結局きれいになります。ゼロになるわけではありませんが、薄くなります。もちろん最初のかさぶたが消えてしばらくしても色が出てこない方はそのままきれいに消えたままです。この炎症後色素沈着を最小に抑えるために上記のようなハイドロキノンを塗ることもお勧めしています。もちろん治療後の日焼けは悪化の元ですし、シミを作る細胞が刺激を受けてすぐに戻ってしまいます。一生に渡ってケアをする必要があるのは当然で、傷んだ細胞は元には戻ってないのですから、何かダメージを受ければすぐにシミを作って皮膚を紫外線から保護しようとします。一度取れた部分でも、日焼けの予防などを怠るとシミが復活しますからご用心ということですね。